「うたかたの呼吸している海月かな」 福島晶子
ここはとある海辺の小さな町の小さな喫茶店。典子は十数年住んでいた東京からこの町に戻り、今日も大きなゴミ袋を引きずっては捨てている。そんな典子とささやかな衝突を繰り返す妹の薫。母のやっていた喫茶店を受け継いで経営しているのは、 なんとそんな二人の義父・洋三だ。小さな喫茶店にさざ波のように広がる小さな波紋。 ごくごく廻りの人々を巻き込み、その波紋はやがて大きな波となって・・ そんな波音に包まれるように、それぞれの「ちょぴりの辛さ」が混ざり合ってゆく・・・。