「ひとり芝居連続公演に寄せて」
1967年(S42年)20歳で演劇集団・変身に入団した。新宿2丁目に新宿モダンアートというストリップ小屋が有り、そこの裏方のバイトをしていた。その「前衛劇コーナー」で初演されたのが坂本長利さんの「土佐源氏」だ。その後の「変身」(代々木小劇場)での再演も裏方・照明で付き、旅回りにも何度かお付き合いをした。
時は経ち1985年(S60年)私にひとり芝居をしないか?とモダンアートから話しが有り、仕込んだのが「四畳半襖の下張り」38歳の時だ。
その時、坂本長利さんの「土佐源氏」をエジンバラ国際演劇祭に持って行くというので、一回だけ「四畳半襖の下張り」と「土佐源氏」を交互に演じた事があった。
あれから26年、私の「四畳半襖の下張り」も230回を越えた。1135回を越えている坂本さんには遠く及ばないが、60歳を越え少し芝居がわかって来た様な氣がする。
今回、無謀にもその坂本長利さんと同じ板の上に立とうと心した。かなりの覚悟だ。先輩の胸を借り、前座を勤めようというのだ。いや何の事は無い、「土佐源氏」に便乗して売り込もうとするセコい精神かもしれない・・・。
いや、一人でも多くの人に坂本長利さんの「土佐源氏」を見て欲しい。これは演劇界の至宝だ。・・・そしてついでに私の「四畳半襖の下張り」も・・・ね。
宜しくお願いします。
椿組・外波山文明